全てを忘れたくて逃げた先に。
“大嫌いなアイツ”が現れてなぜかあたしを戸惑わせた。
傷つくことから逃げたのもあたしで、莉子に言われたように向き合うことからも逃げ続けてきた。
怖かった。
また、拒絶されたらって思ったら。
嫌われるくらいなら忘れた方がずっと楽で。
だけど。
ーーー“オレはお前のこと忘れた日なんてねぇよ”
逃げずにいたのは誰だったか……。
ーーー“ オレがお前のこと忘れらんないって言っても?”
不器用な玲央の、真っ直ぐな声はいつも、すぐそばにあったんだ。
それはあの頃と何一つ変わってなんかなくって。



