「それなのに俺、四ノ宮にひどいこと言った……」
こないだ会った時も同じことを言っていた。
その時みたいに仁科君はただ物悲しい表情を滲ませて大きく息を吐いた。
「本当に想ってるわけがない、そんなのは一方的に傷つけた四ノ宮の言い訳と嘘だって。学校に来れない麻白さんに会いに行く勇気もないクセに……って」
苦しそうに顔をしかめる仁科君の口から紡がれる、あたしの知らなかったこと。
「どうせ……四ノ宮みたいな意気地無しには、きっとずっと、到底出来ないだろうけどって言ったんだ。だから麻白さんと同じ高校だって聞いて驚いた……」
静かな秋風が仁科君の黒い髪を揺らす。



