そして、どうして今は……。
莉子がいたからここまで来れたのに。
莉子の手を離したら一人じゃ立つことも出来ないあたしに、莉子は何を思ってるかな。
ーーー“だから、また笑ってよ?”
あの時の、灯火を宿すような莉子の声に、溢れおちそうな涙を必死に呑み込んだ。
「麻白さんに久しぶりに再会出来たこと嬉しかったよ。ずっと気になってた女の子が変わろうとしてる。苦しみも悲しみも辛さも、俺にはわからないけど……自分を変えたくてここまで来たのかなって、俺には、そう映ったよ」
弾かれたように顔を上げると、仁科君の率直な視線が眩しかった。



