「私、体育祭の時はビックリしたぁ……」
カフェオレのほろ苦い香りが漂う部屋で、御木本さんの声が何だか作られたみたいに、大袈裟に聞こえる。
「それ、借り者競走のこと……?」
なんとなく……。
玲央が絡んでることで、あたし的には衝撃的だったからそう口にしたけれど。
「えっ?違うよ?あんなの、驚くポイントなんてあったっけ?」
「っ、ううん……っ、勘違い。ごめんね?」
そこに、学年一可愛いと噂されている美少女の姿はもう欠片もないみたいだ。
「ふふっ。私がビックリしたのは、あの帝王が喧嘩よりもスプリンターがお似合いだったってことだよ?はぁ……ガッカリだな」
「……っ!そんな、ガッカリって!」



