え……?
嫌な声がする。
悪いことが起こりそうな、いやもっと……。
恐怖みたいなものが近づく。
「御木本?」
「会えてよかったあ!これね、昨日バイト上がった後に叔父さんから頼まれたの。はい。差し入れだって」
弾むような声と一緒に玲央の周りで可愛くふわふわと揺れるマロンクリームの色。
「わざわざ家来んなよ。学校で渡せ」
もしかして。
御木本さんが玲央に渡したいものって、その差し入れってやつだったの?
「へへ。そうだ。ねぇ、麻白さん?今日は麻白さんの部屋で、相談に乗ってほしいことがあるの」
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