【完】好きなんだからしょうがないだろ?




「お前がまた学校来なくなったら、成田にオレのせいにされんだろ?」


「れ、玲央のせいでしょ!あんなこと……っ、だから、あたしはこんな遠い高校……」



言いかけて。

どうしてか莉子の言葉が蘇った。



ーーー“逃げたらダメだよ?”



「オレから離れて、何か変わったのかよ?」


「……っ」



なんで何も言えなくなったのかな。

それはきっと燻った想いが心の中に染み付いて取れないからで。


あたしは、きっとどこにいても逃げても、玲央が消えてくれない。


消せるわけがないのは……。



「あっ、玲央君!」