「出来るじゃん、お前」 「へ……?」 怒りの炎がまるで水でもかけられたみたいに消えて、あたしは見上げる。 「反論。“空気”みたいとか言われてなに黙ってんだよ?」 「なんでそれを……」 「教室の前でバカ笑いしてる女の声、嫌でも聞こえるって」 出来れば知られたくなかった。 過去と同じ、あんな、情けないあたしを……。 「反論してみろよ。そうやって閉じ籠ってどうすんだよ」 「……簡単に、言わないでよ」