「困った顔、もっと見せろよ?」 「っ、やめてったら……っ、玲央……」 ドキッ、と。 高鳴りが増せば止むことはなくて。 戸惑う瞳を逸らしても頬が瞬く間に熱を帯びる。 「すげぇいい眺め」 からかうようにビターな瞳を細める。 避けるように顔を背けたあたしを近距離で見下ろして、艶のある妖しい笑みを浮かべた。 「ふ、ふざけないでよ!バカにしないで……!」 限界という文字が頭の中に浮かび上がって、堪らずに強くそう放っていた。