【完】好きなんだからしょうがないだろ?




「違うけど、バイト……あるって聞いたから」


「それはピンチヒッターの話しだろ?」



玲央を前にすると緊張したみたいに力んで上手く話せない。



「なんで、シュガーマカロンに……」



もう何度も思う。


引っ越してからそれを知っていたらきっと、大嫌いな玲央がいるシュガーマカロンに行ったりしなかった。



「なんでって、叔父夫婦の店だけど?」


「叔父夫婦ね……へぇ。……っ、ハァ……!?」


「声でかいって」



顎が外れそうな勢いで飛び出た声と同時に顔を上げれば、苦い顔をした玲央が眉間に皺を作る。