【完】好きなんだからしょうがないだろ?




「……逃亡者だったらとか、思わないわけ?」



溜め息混じりに気だるげな声を漏らせば、ハニーブラウンの髪が夕暮れに靡く。



「……っ、な、なんで?」


「ドア開ける前に確認しろよ?オレが、例の空き巣とかだったらどうすんの?」



お前の部屋に入る物好きなんかいないか、と皮肉を交えて、ふっと微笑してみせる。


当のあたしは、もう開いた口が塞がらず、瞬きを繰り返す羽目になった。



「いきなり何よ……っ!てか、家にいたんだ?」


「オレがいたら悪いのか?」