「り、莉子……っ、教室に戻ろう?」 気づかないふりをしても顔がひきつっている。 「そうだね」 莉子は何も言わなかった。 正確にはあたしと同じように気づかないふりをして廊下を進んでいく。 バカなあたしはどこかで莉子が助け船を出してくれるんじゃないかって期待していたんだ。 あたしはいつまで莉子の後ろをくっついていくんだろう。 みっともなくて、情けない。 いつか本当に一人で戦わなきゃいけない時がきても、こうやって目を逸らし続けてしまうんだろうか。