「明日からは……わたしが、ブランクを取り戻すために走り方でも教えてあげようかな!」



小さく笑った。

西に傾く太陽が莉子に希望を灯している。



「轟先輩がグラウンドに立つなんて、なんかまだ違和感が……」



だって、帝王やら二段蹴りの破壊力が強くて……とは、口に出して言わないけど。



「三葉は、待ってるだけじゃダメだよ?四ノ宮から逃げてたら変わらないよ」


「っ、に、逃げてるわけじゃ……」


 
莉子にはそう見えてしまっても仕方がないけど。


聞きたいことも話したいことも色々積もりに積もって、上手く向き合えなくて、葛藤してるのは嘘じゃなくて。