莉子が走ることが好きって知っていたから……。 あたしよりもずっとずっと、深く。 「ごめんね、三葉……っ、なかなか話せないままこの高校に来ちゃって……」 「それは違うよ。あたし、気づけなくて、ごめんね……?莉子がいたからここまで来れたんだよ?」 どうかそれだけは知っていてほしい。 いつだって強い莉子の温かさに救われたていた。 帰りの別れ道で。 あたしと莉子はなんだかくすぐったくて、二人で顔を見合わせて下手くそに笑った。