玲央がしらっとそっぽを向いても、それに付きまとう莉子は珍しく白熱している。


それは、あたしのために言ってくれているのが伝わるから、その温かさが素直に嬉しかった。



「い……いいから、莉子。もう行こうよ……!」



莉子の気持ちはありがたいけど、このままだと本当に借り者競走に遅れちゃう。


あたしは後ろ髪を引かれる思いではあったけど、莉子の背中をずいずい押して、玲央のそばを立ち去った。



「……三葉っ!何、連れてかれてんのよ!」


「だ、だって、あんなの不可抗力だよ……っ、」