「でも、俺だって同罪だったね。偽善者って言われるのが怖くてさ……見て見ぬふりをしたから。そんなの、おかしいよね……」 仁科君のメガネの奥の瞳が揺れる。 人間誰だっていざとなれば自分を優先的に考えるものなのかもしれない。 仁科君の言ってることはおかしくなんてない。 「今頃になって思ったんだ。あの時、もしも声をかけていたら。もし、俺に勇気があればって。いつも麻白さんのこと見てたのに……情けなくてカッコ悪い」 「そんなことない。今こうして、そう言ってくれるだけで充分だよ……」