「どうして、轟先輩が……?」 驚いたあたしは轟先輩を見上げた。 酷く無機質な瞳にはあたしなんてまるで映っていないように見える。 もっと遠くの、誰かを、何かを見ているようで。 「と、轟先輩は、体育祭で走るんですか……?」 「あ?」 「ヒィッ。すみません!轟先輩が体育祭なんて、出るわけないですよね……!」 だって轟先輩の射るような視線に耐えきれなくて、つい。 帝王が体育祭なんてそんな健全な行事に出るわけがない……。