莉子と別れたあたしは重い足取りでアパートのすぐそばまでやってくる。
玲央の部屋に目を向けると、微かに部屋の明かりがついてることに気づいた。
ああ、帰ってきてるんだ……。
……と、あたしの脳内には、昨日の刺激的な夜の出来事が過る。
あのキスのあとは、玲央が突然あたしから離れて、ベットルームへ行くように言った。
押しかけた挙げ句、ベットまで奪っておきながらお礼もまともに言えなくて……。
玲央とキスしたせいか、とても顔を見る勇気がなくて、あたしは玲央よりも早く部屋を出た。
複雑な感情は心の中を彷徨うように、ぐるぐると渦巻いている。
溜め息を落として、再び足を動かせば、部屋へ向かったあたしの視界に、光沢のある黒いバイクが置かれていることに気づいた。



