もし少しでも動けば唇が触れそうな距離に、あたしの鼓動がものすごい速さで高鳴りを増す。 玲央のシャンプーのいい香りがする。 伏し目がちな表情が微かに動く気配がして、耐えきれないあたしはそっと目を閉じた。 「キス、されると思ったか?」 「……っ、」 パチッと目を開く。 玲央の涼しげな瞳に恥ずかしさと後悔が脳裏を駆け巡る。 違う、これは反射的にってやつで……。