ーーー振り向いた視線の先。

ふわり、と。

ハニーブラウンの髪が風に揺れる。



さ、最悪……。



「ふーん。そいつがお前の主人ってわけ?」


「は……?主人……?」



聞き返せば、見るからに不機嫌にポケットに手を突っ込んで眉の間の皴が思いきり寄せられた。


ツンっ、と顎を上げて轟先輩を見やると。



「物好きな男に尻尾振って喜んでんじゃねぇよ」


「っ、最低……!ほんと、アンタってどうしていつも嫌なことばっかり言……」


「麻白さん?」



ひょこっ、と現れたその弾んだ声の主。