【完】好きなんだからしょうがないだろ?




「あ。麻白さん、見ーーつけたぁっ!」



不意に、背後から弾む声であたしを呼ぶ。


聞き覚えのある声にギョッとして振り向けば、マロンクリームの色があたしへ近づいた。



「み、御木本……さん!?」


「探しちゃったぁ。こないだは、本当にありがとうね?」



そんなありふれた言葉を発する仕草さえ男心をくすぐるのか、廊下を通る男子の熱い眼差しは絶え間なく注がれる。



「あたしは、何も……」


「ほら、玲央君に用がある時、家に行ってもいないと困るから。だから、麻白さんがお隣さんでよかったぁ」



つまりそれは、既にアイツがいない時の御木本さんの待機場所と認定されてる、ってこと……?