「今さら……そんなことっ、言わないで……」 眉をひそめた玲央が手を伸ばせば触れそうな距離にいて、ひたすら、ただ苦しくて。 早く、忘れてしまわないと傷口がどんどん化膿していってしまいそうで怖かった。 「アンタが……っ、あの日あたしに言ったこと、忘れたわけじゃないクセに……」 全部、きっと何かの間違いだって、夢だって本気で思いたかったあの頃。 「三葉」 「……っ、大丈夫、ちゃんと、忘れられるから」 玲央が、あたしから消えなくなってしまう前に。 大丈夫、きっと忘れられる……。