──side苺──

「あっつーいっ!」

3限の授業が終わって、パタパタと下敷きで扇いでいる春菜。

そんな春菜の前の席があたしだから、休憩時間になると実咲も香歩も自然と集まる。


「ほんと、暑いよねー。溶けちゃいそうーっ!」


そう言って、あたしは、春菜の方の机にうなだれた。


「あと1時間の我慢っ!」


そう言って、あたしたちをなだめる香歩。


あと1時間っていうのは、授業が終わるまでじゃなくて

昼休みの時間のこと──。


この暑い中、風通しの良い屋上で、ご飯を食べるのが日課になっていた──。