──side壱──

葵本と一緒のジュースを飲み始めていると、隣から視線を感じた。


やっぱ男がイチゴミルクって変か───

なんだか急に恥ずかしくなって飲むのを止めてしまった。


そんな俺を見て、いきなり笑い出した葵本。


屋上で見た時と同じ、隣で頬を少し赤く染めて笑っている。


俺の言葉に答えながら──。


それからは、『甘いもの』について話しながら帰り道を歩いた。


イチゴミルクから始まって、他に甘いものは何が好きかとか。

あのチョコレートは美味しいだとか。


葵本を送り終える頃には、何を話そうかと考えていたのがうそのように笑い合って喋っていた────。