「壱はさー…
好きなやつ居る?」

「──…え?」

いきなりの言葉に
想いが見透かされているような気がしてドキッとした。


「俺、好きなやつ出来たっ──…。」

同じバイト先で知り合って、
話をしていくうちに気付けば好きになっていたらしい。


照れながら話す誠也。


長い付き合いだけど、こんな誠也の表情、初めて見るなぁ──…


「なんかスッキリしたー
1番に話したくってさ。」

ベランダへと歩き、
背伸びしながら照れ笑いをした。