真奈とラインで連絡を取り始めて数日後の仕事終わり、二人きりで食事にでかけた。
といっても、金欠病の俺がおごってやれるのはファミレスぐらいのものだったのだが、真奈は、気取ったレストランよりも断然落ち着けるとテンションが高かった。
「本当にむかつくんですよぉ、高坂店長ってばね、真奈のこと下品だって!それにね…」
今日はスカート丈が短すぎることをくどくど言われたらしい真奈は、ハンバーグを頬張りながらプリプリしている。
「ちょっと、ドリンクバー行ってきますね。武藤さんもお代わりします?」
「じゃあ、同じの」
「了解!」
ふわりとシフォンのミニスカートを翻しながらドリンクバーへ駆け込む真奈の後ろ姿は、確かにきわどい。堅物の高坂店長が下品だと怒鳴るのも頷ける。
男からしたら、ぶっちゃけ目の保養なんだよなぁ。でも、見るのは俺だけじゃないし。
なんて、すでに彼氏気取りな俺。
ちょっとずれてるところもあるけれど、そこは、若さがカバーしてくれる。危なっかしくて、人懐っこくて、健康的で、元気がいい。
俺は、わずか数日で真奈の虜になっていた。
飯のあとは、どうなるんだろう?まだ帰りたくないなんて言われたら…。
「あれ?拓実?」
よこしまな妄想をしながら真奈を待っていると、突然名前を呼ばれた。
「あ…。水谷さん…お疲れさまです」
現れたのは、同じ職場で美容師の水谷宗一郎だった。
「つか、水谷さんなんて呼ぶなよ。ためじゃん!」
「でも、水谷さんは先輩だし、スタイリストじゃないですか」
苦笑いする俺に、
「じゃあ、先輩として命令する水谷さんはやめろ!宗一郎だ」
と、水谷さんあらため宗一郎は、大きな口でにかりと笑った。
実家が美容室の宗一郎は、早い段階から美容師の道を志し、高校入学と同時に美容学校の通信科へ通い免許を取得。高校を卒業しすぐに美容室へ就職を決め、ずっと美容師一筋だ。
技術はもちろんのこと、見た目もいい宗一郎は指名、売上げナンバーワンの看板美容師で、お洒落な美容室からの引き抜きも多いのに、なぜか、うちのような大衆店にいる未来の幹部候補だ。
本来なら、同い年でも気軽に下の名前で呼んだりできないのだが、宗一郎はそういう堅苦しい上下間系を嫌い、俺と仲良くなりたがった。
つまり、男の俺から見てもめちゃくちゃいい男なのだ。
といっても、金欠病の俺がおごってやれるのはファミレスぐらいのものだったのだが、真奈は、気取ったレストランよりも断然落ち着けるとテンションが高かった。
「本当にむかつくんですよぉ、高坂店長ってばね、真奈のこと下品だって!それにね…」
今日はスカート丈が短すぎることをくどくど言われたらしい真奈は、ハンバーグを頬張りながらプリプリしている。
「ちょっと、ドリンクバー行ってきますね。武藤さんもお代わりします?」
「じゃあ、同じの」
「了解!」
ふわりとシフォンのミニスカートを翻しながらドリンクバーへ駆け込む真奈の後ろ姿は、確かにきわどい。堅物の高坂店長が下品だと怒鳴るのも頷ける。
男からしたら、ぶっちゃけ目の保養なんだよなぁ。でも、見るのは俺だけじゃないし。
なんて、すでに彼氏気取りな俺。
ちょっとずれてるところもあるけれど、そこは、若さがカバーしてくれる。危なっかしくて、人懐っこくて、健康的で、元気がいい。
俺は、わずか数日で真奈の虜になっていた。
飯のあとは、どうなるんだろう?まだ帰りたくないなんて言われたら…。
「あれ?拓実?」
よこしまな妄想をしながら真奈を待っていると、突然名前を呼ばれた。
「あ…。水谷さん…お疲れさまです」
現れたのは、同じ職場で美容師の水谷宗一郎だった。
「つか、水谷さんなんて呼ぶなよ。ためじゃん!」
「でも、水谷さんは先輩だし、スタイリストじゃないですか」
苦笑いする俺に、
「じゃあ、先輩として命令する水谷さんはやめろ!宗一郎だ」
と、水谷さんあらため宗一郎は、大きな口でにかりと笑った。
実家が美容室の宗一郎は、早い段階から美容師の道を志し、高校入学と同時に美容学校の通信科へ通い免許を取得。高校を卒業しすぐに美容室へ就職を決め、ずっと美容師一筋だ。
技術はもちろんのこと、見た目もいい宗一郎は指名、売上げナンバーワンの看板美容師で、お洒落な美容室からの引き抜きも多いのに、なぜか、うちのような大衆店にいる未来の幹部候補だ。
本来なら、同い年でも気軽に下の名前で呼んだりできないのだが、宗一郎はそういう堅苦しい上下間系を嫌い、俺と仲良くなりたがった。
つまり、男の俺から見てもめちゃくちゃいい男なのだ。


