「……じゃあ、私は…相原くんの罠にまんまと引っかかった、の?」
「俺のこと、好きなら…そうなるけど。
どうなの?」
聞かなくても、分かってるくせに。たまに発動する意地悪は、私の顔を赤く染めていく。
「……す、き。」
小さく…やっと紡いだ2文字に、相原くんは珍しくクシャっと嬉しそうに笑うから、その笑顔にまた心臓が跳ねる。
そのまま、再び重なる唇から痛いくらいに相原くんの気持ちが伝わって来て、泣きそうになるのを必死に堪える。
嬉し泣きなんて知らなかったけど、こういうことなんだね。
離れた唇に、少しだけ名残惜しさを感じる自分が恥ずかしくて俯けば
「部屋に呼ぶと、理性ぶっ飛んで我慢出来なくなるから…
傷つける前にやめようと思ったのに。」
ふわっと私の髪を優しくなでて、
それから髪にキスを落とす。
そんな仕草がくすぐったくて、恥ずかしくて、幸せで。
「でも…もう、
我慢する必要なくなった。
なぁ、日菜。覚悟しろよ?」
不敵に笑う相原くんに、
身の危険をビシビシ感じながらも…どんどん火照っていくカラダは正直だ。