「ユリ、凄くいい匂いがする」 ああ……。 この人は、どれだけ私にドキドキさせるのだろうか。 「僕、花の中で1番……ユリが好きかも」 ──ドキンっ…… 『ユリが好きかも』 『ユリが好き』 『ユリが』 『好き』 ボッと顔が熱くなる。 わかってる! わかってるよ。 清水くんは、お花のことを言っていた。 私なんかじゃ、ないんだからっ……! そう言い聞かせているのに、胸の鼓動は鳴り止まない。