私は最後、鏡の前で身だしなみを確認する。 この動作も慣れたものだ。 「姐さん早くー。 もう、みんな移動してるよ? 美味しいご飯が無くなっちまうよ。」 はぁい。と、けだるく返事をして部屋を後にする。 楼を出ると、どこからか桜の香りが漂って きた。 あぁ。いい香り。 私は、この後運命の出逢いをすることを、 知らず、普段通りけだるく足を進めるのだ った。