「は?たった3,000円かよ!
お嬢様が聞いて呆れるな。」
「お金なんてあったって、私から大事なものを奪ってくだけだから」
うちが貧乏なら、今でも家族4人で一緒に暮らせてたかもしれないのにね。
「なにやってんだよ。」
その時、ドアの方から低い声が聞こえた。
「春翔…」
「人の財布から金を抜き取るのはさすがに犯罪じゃねーの」
春翔の後ろにいる祥也がそういうと春翔はこちらにきて、私の目の前にいるこの男からお金を取り上げ、私のお財布に戻した。
「大丈夫?」
「あぁ、うん。私は全然平気。」
「そ、よかった。
……で、隼人は一体なにをしてんだよ。」
へぇ、隼人っていうのか、この男は。
「春翔、宮下が金持ちって知ってたのになんで言ってくれねーんだよー。」
「言う必要がないだろ。
言ったところで、お前らになんか関係あんのかよ。
言っとくけど、舞桜は必要最低限の金しか持ち歩かねーからカツアゲ対象にはならねーよ。」
「ふーん、じゃあ今度俺のために持ってきてよー宮下。」
「…ざけんなよ。」
春翔はそういって、この男の胸ぐらを掴んだ。
「春翔!ダメだよ!」
「春翔はうまくやったもんだよなぁ。
イケメンはうらやましいよ。
金持ちを捕まえられて。」
この男が春翔を挑発するから、春翔の拳は動き始めていた。
「ダメ!!」
その拳がこの男に触れる前に、私は春翔の腕にしがみついて、動きを止めた。


