翌日ー
「荷物はこれで全部か?」
「うん。全部。
パスポートとかはもう持ってるから。
17時までには家に戻るね。」
「行ってらっしゃい。」
「行ってきます。」
何年かぶりに、二人に向かってそういって、私は家を出た。
将生がいた頃は毎日言ってたのにね。
そして歩いて数分、駅に到着して美乃里を待っていた。
………前に美乃里を待っていた時は春翔も一緒だったよね。
長谷川くんと初めて会って……あの頃が懐かしいや。
「舞桜~!ごめん、お待たせ!」
「ちょうど今来たとこだし平気。
さてと、行きますか。」
それから私たちは、いつもなら撮らないプリクラを撮って、いつもなら行かないファミレスに行った。
「今日は映画じゃなくてよかったの?」
私がそう聞けば美乃里は目線を少し下げて
「映画は時間がたつのが早いから」
と少し悲しそうに言った。
「……そっか。
じゃあ今日はいろんなことしようね!」
「そうだね。」
それからはいっぱい話して、いっぱい笑って、買い物に出掛けたりカフェに入ったり、高校生らしく遊んだ。
向こうには友達なんていないから…今だけ。
今だけならいいよね。
「もう夕方だね。」
「うん。」
「あのね、行きたいところがあるの。」


