私たちは和泉の背中をみながら、友達と話ながら笑う和泉の顔を見ながら、教室へと向かった。


「春翔~!」


そんな和泉の隣にはいつも、同じ女の子がキープをしているんだ。
他の子は決して入ることができない、この二人。


「お、優衣。ちゃんと来たじゃん。」


「当たり前じゃん!春翔に会えるし~!」


「昨日も会ったけどな?」


「毎日でも会いたいもん。」


「はは、俺も。
でも朝練にはいなかったじゃん。」


いっつも一緒にいる和泉と、和泉の彼女の竹下優衣ちゃん。
かっこよくて、爽やかで、明るくて、みんなに人気で友達もたくさんいる和泉と、
見た目も中身も超絶可愛い優衣ちゃんは、自他共に認めるバカップルで、この二人のキスシーンを見たことない生徒はいないんじゃないかってくらいラブラブ。

私なんかが入る隙はどこにもない。


「………あんたもさっさと別の人にいけばいいのに。」


「いいの。」


美乃里はさっさと忘れろっていうけど、そんなの無理なのわかってる。
私はそれだけ本気で和泉のことが好きなんだ。

………だから、和泉が幸せならそれでいい。
奪おうなんて思ったことはない。