政府から逃げ続け、ここにたどり着いた。近すぎて奴らは気がつかなかったらしい。
歩くと砂利の音がする。町の近くなのに僕以外誰もいない。

この世界は向こうの世界に認められていない。存在は両方の政府によってかくされている。
向こうの世界は政府の人間ですらこっちのことを知らない、ということもある。

禁じられた入口が、僕を呼んでいるような気がする。


きっと、あの人も僕を待っている。


「そっちに行くよ、早名」