私は彩芭井 羅雪(さいはい らせつ)。歌が好きです。
「ねえ、羅雪ちゃんってたまに音楽室で歌ってるよね?」
「えっどんな感じ?歌ってみて!」
「ひえっ!?」
でも、人前では歌えません。どうしても緊張して声が出なくなるんです。
どうしようか困っていたとき、グッドなタイミングでチャイムが鳴ってくれました。
授業が始まり、先生が誰かを当てて教科書を読ませようとしています。私には絶対に来ないで……!
「それじゃ、彩芭井さん読んでくれる?」
当たってしまった。日直の当番の紙をぺらぺらとめくったら私の名前が来ちゃったみたいです。その方法だと高確率で私になるのでやめていただきたいです。
「ぇっと……重力は……」
出ない声を振り絞って読む。けど……
「はい、ありがとう」
「えっ、読んでたのかよ」
「全く聞こえなかった」
何人かが笑う。もう嫌だ……
こんなんじゃ、歌手になるなんて……
夜になって、私は毛布にもぐる。部屋のベッドで寝転がってる時が一番好き。歌うことは……今は好きじゃなくなった。
声だって綺麗な訳じゃないし、可愛いわけでもない。
こんな私で、歌手になれるの?
残酷な現実に耐えきれず、布団を涙で濡らした。
「ねえ、羅雪ちゃんってたまに音楽室で歌ってるよね?」
「えっどんな感じ?歌ってみて!」
「ひえっ!?」
でも、人前では歌えません。どうしても緊張して声が出なくなるんです。
どうしようか困っていたとき、グッドなタイミングでチャイムが鳴ってくれました。
授業が始まり、先生が誰かを当てて教科書を読ませようとしています。私には絶対に来ないで……!
「それじゃ、彩芭井さん読んでくれる?」
当たってしまった。日直の当番の紙をぺらぺらとめくったら私の名前が来ちゃったみたいです。その方法だと高確率で私になるのでやめていただきたいです。
「ぇっと……重力は……」
出ない声を振り絞って読む。けど……
「はい、ありがとう」
「えっ、読んでたのかよ」
「全く聞こえなかった」
何人かが笑う。もう嫌だ……
こんなんじゃ、歌手になるなんて……
夜になって、私は毛布にもぐる。部屋のベッドで寝転がってる時が一番好き。歌うことは……今は好きじゃなくなった。
声だって綺麗な訳じゃないし、可愛いわけでもない。
こんな私で、歌手になれるの?
残酷な現実に耐えきれず、布団を涙で濡らした。