行くあての無い僕を下宿させてくれた、優しい老夫婦。

僕は老夫婦の小麦畑の世話を手伝う代わりに、家に住まわせてもらっていた。


その家の向かいのパン屋。

このパン屋には年頃の娘がいた。


両肩から三つ編みを揺らし、いつも笑顔で迎えてくれる。

僕はその娘の、まず瞳に恋をした。

僕をまっすぐ見つめる青い瞳。

目が合うと少し頬を赤らめながらも、頑張って僕を見ようとする。


その純粋な心…

僕はその心に惹かれていった。


そして

僕たちの付き合いが始まった。