分かってるよ……。 誰に対しても優しくて、いつも笑顔でみんなに気を配ってる。 そんな人だからスキだって事。 続々と他の部員さんやマスコット、男子マネージャーが集まる中に消えて行った後姿を見ているだけで息が苦しくて。 恋は障害がある方が燃えるなんて事、私には無縁みたいだ。 「じゃ、行こっか」 嬉しそうに手を取る亮先輩に、私はマスコットとして、仕事として、精一杯の笑顔を返した。