昨日、触れないでおこうとした俺に駆けて来てくれた姿。 亮の腕をすり抜けて走って来ていた事に俺は気付いていた。 好きな奴の前でする態度じゃない。 そして……その隣にいた沙良の事を見て思い出す。 去年の事件。アイツは……亮は、多分本当の恋なんてした事ないんだろう。 恐らくは嫉妬。 そんなつまらない奴に……譲ってたまるかよ。