キャプテンが私の事を好き、なんてありえないのに……。 キスした後謝られた、私はそんな存在なのに……。 「自分の気持ち、見失わないようにね」 沙良先輩が肩を叩いてそう励ましてくれた瞬間、練習終了のホイッスル。 「さ、行くよ~」 他のマスコットにも声をかけて、一番に笑顔で駆けて行く先輩を慌てて追いかける。 この……グラウンドでキャプテンに触れられるのも今日で最後。 明日は決戦の競技場だから…… だけど 手を伸ばした私を一番に抱き締めたのは……やっぱり亮先輩だった。