恋愛が怖い、その真意を聞けないまま…… 「私が言いたかったのは亮さんの事」 「って事はひょっとして沙良先輩も??」 「うん、去年の秋頃……だったかなぁ」 懐かしむように、ボールを追う亮先輩を目で追いかけながら。 沙良先輩から聞いた話。 本当に聞いて良かった。 もし、知らないままだったら……私はまだ亮先輩の言葉を信じていたかもしれないから。 耳元で毎日囁かれる「好き」の言葉。 単純な私はそれを、疑いもしていなかった。