一歩一歩と遠くのサッカー場まで歩くのもあと少し。 渡り通路を抜けようとすると……制服同士の毅先輩、奈々子ちゃん、そして……亮先輩の姿が見える。 亮先輩とはあの一件以来話をしてなくてちょっとだけ気まずいんだけど…… 「綾ちゃん!!」 声をかけられてしまったらしょうがない。 私は奈々子ちゃんの隣に駆け寄った。 「幸せそうな顔してる」 ぷにぷにしたほっぺを突っつくと、くすぐったそうに、でも幸せそうに笑う。 「綾ちゃんも頑張ってね」 そう言うのは毅先輩で……