「しっかり出来ないんだったら、辞めて貰っても構わない」 冷たいキャプテンの言葉に毅先輩は返事が出来ない。 同じ2年でレギュラーを虎視眈々と狙う他の部員も、それを望んでいるのかニヤニヤと動向を眺めていた。 「綾ちゃん……私倒れそう」 へなへなとベンチに座る奈々子ちゃんの肩を抱いててあげる事しか出来ないなんて……。 「分かりました」 「分かりました……って、おい!!」 キャプテンの制止を振り切って、一直線に毅先輩の足はこちらへと向く。