マジで……カッコ悪ぃ。 さっきまで触れられていた小さな背中。こんなに近いのに……抱き締めても抱き締めても距離は縮まらない。 毎日顔を見れたら救われると思った。 だけど……下らない嫉妬に苛まれるだけで、かと言って突然休まれた昨日。余計に落ち着かなかったのは言うまでも無い。 本当は……そのまま、またあの薄くて、桜色をした唇を奪いたかった。 病み上がりなのに、無理してにっこり笑う倉野。 その顔があまりにも穢れなかったから……俺は何も出来なかったんだ。