「お願いがあります」



神妙な私の表情にキャプテンの顔が少しだけ翳った……ような気がした。



「何??体調まだ悪い??」



「いえ……そうじゃなくて……あの……」



見つめられ過ぎて、うまく言葉に出来ない。せっかく誘って貰ったのに……夏になったら辞めたいだなんて、それが理由で嫌われたら困る。



そう思うから言い出せなくて……



「綾ちゃん?」



少し震えた私の体にふわっと、キャプテンの上着がかけられる。まだ温もりを持った、ほのかに汗の香りのするジャージに包まれて



「もう一日休むか」



そのまま校舎の方へ体をUターンさせられそうになった時!!



「あのっ!!夏の大会が終わったら、私……辞めたいんです」