「梓、どうしよ。私、沢井の事傷つけたかもしれない」



「いや、この位言わなかったら一生腑抜けのままだろ。いい薬だったと思うよ」



その、少し赤みが差した表情に、梓が怒っていただけじゃなかった……と知る。



「梓……沢井の事?」



「言わなくていいの。私に恋愛は似合わないだろ?」



思い起こせば梓の最近書いていた漫画の主人公、沢井に少し似ていたような……。



「ね、沢井の事嫌いに……なった??」