-ガラッ- 中学とは違う、バリアフリー設計の簡単に押し開ける横開きの扉。 その向こう側には……足を机に上げて、グラウンドを眺める沢井の姿。 私の姿を見つけると、さすがに少し気まずそうな顔をして……だけど近くに寄った私の腕を取る。 「行くなよ……サッカー部なんて」 こんな明るい教室で抱き締められたのは初めてで……誰かが来ないかドキドキしてしまう。 「離して?」 「いいの?そんな事言って……」 「私は……」 渾身の力でその腕を飛び出した。 「私は、誰かの代わりじゃないっ!!」