「沢井の事は……悪かった」 「え?」 「前言撤回。悪い奴じゃないと思ったし、アイツが綾を見てる目は本気だって思ってたけど……脅迫するような奴だったとはね」 「だけど……」 泣き止まない私の頭をぽんぽんとしてくれる行為がキャプテンと重なって、また胸が痛くなる。 「綾も綾だよ。最初から全部言ってくれたら良かったんだ」 「……ごめん」 「いや、私も……」 そう言うと鞄からノートとペンを取り出しうんうんと唸りだした。私の話を探偵のようにまとめているらしいけど……。