先に動いたのは亮先輩。 「カズ……綾ちゃんの知り合い?」 「あのっ!!クラスメイトで……」 マスコットは彼氏を作らない。暗黙のルールが無意識のうちに私を縛る。 しかも……私は亮先輩の気持ちを知ってしまっている、から。 その時!! 「まだ下らない事やってんの??」 その声の主は沢井に良く似た……けれど既に目元に大人っぽさを感じる男の人。 「兄貴には関係ない」 決して友好的ではない兄弟のやりとりを見て、今度は亮先輩が声を上げる。 「なるほど……そういう事か」