……ごめんね、ふたりとも。

最初は悲しんでくれるかもしれないけど、健康な妹がいるから、きっと大丈夫。

こんなお荷物、いなくなって良かったと思える日が来るよ。

今まで私がいるせいで、外食も遠出もできなかったけど、これからは三人で思いきり楽しい毎日を過ごしてね。

少しの胸の痛みに堪え、震える手でサインをする。

画数の多い自分の名前を書き終えた瞬間、ふっと手からボードが宙に浮いた。

それはふわふわと死神くんの手元に飛んでいく。


「契約完了だ」


笑いもせず、死神くんはそう言った。

そして、その大きな浅黒い手のひらをこちらに向ける。


「今から、お前を健康体にする」


い、今から?徐々に治すとかじゃないの?

そう思っているうちに、死神くんの手のひらが、淡い光を放ちだす。

すると、自分の体が芯から熱くなっていくのを感じた。

体中に、死神くんの放った光が集まってくる。