「ただ、終業式までは今の姿でいたいの」
夏休み中なら、病気が再発して悪化して入院しても、出席日数に響くこともないし、友達に心配をかけなくてすむ。
「わかった」
死神くんはうなずくと、ふっと消えていった。
あと三日で、終業式。
それまでに、健康な体で学校生活を満喫しよう。
登校すると、サツキたちがパッと顔を輝かせてこちらを見た。
「あー瑞穂! 良かった、元気そうで」
「うん、ただの風邪だったよ」
「そっかそっかぁ」
誰も口に出さないけれど、もしかしたら病気が再発したんじゃあ……と思われてたのかも。
そもそも、あれだけ悩まされた病気があっさり治ってる今の状態の方が不自然だものね。
「瑞穂がいないうちに、テストの順位出たよ」
フミがため息交じりに言う。
「そうなんだ」
うちの学校では、順位や得点を掲示板に貼りだすようなことはしない。
それぞれの得点とクラス別、学年別の順位を書いた紙が配られるだけ。
一応個人情報だし、今日あたり担任手渡しでもらえるだろう。



