「見て、凄い陽炎」 彼が指差す。 道の先には、あの日見た"もやもや"が満ちていた。 あたしは笑顔で、「ほんとだね」と答える。 陽炎の先に、あの日々が見えた気がした。 少しだけもやがかかったみたいな、古い八ミリフィルムみたいなその映像。 『ナツ』 それは少しだけ切ない思い出で。 ミラージュに包まれた、優しい思い出で。 ~fin~