幸いトイレを出ると、周りに人はおらず、祭が男子トイレから出てくる姿を見られることはなかった。



俺は安堵して、その場にへたり込んだ。



「いやあ、何とかバレずに済んだな。」



「そうだねー! なんか、スリルがあって楽しかったよー!」



人の気も知らないで、祭は目を輝かせながらはしゃいでいる。



「さあ、これで今日のやっちゃいけないことはクリアだねー!」



「ああ、何とかな。」



「そして、私たち、間接キスしちゃったねー!」



「ああ、そうだな。」



「まあでも、初めてが聡くんって言うのも、まあ悪くないかなー!」



「ああ、そうだな。」



____って!




「ええー!? おまっ、初めてだったのかー!」